また窓の向こうにいる

姉さんを待つあの人の姿が









待つことが無駄でも









最初にあの人を見たのは、去年の春。
私の一族は代々独立暗殺部隊「ヴァリアー」のボスの嫁となる。
毎回私たちは一人しか子を産まず、その一人が嫁いでいくことになっていた。
だが運がいいのか悪いのか。

私には双子の姉がいる。


姉さんはうつくしい。


私が幾ら背伸びをしても届かないほどに。



窓の外で待つ人は、ヴァリアーのボスとなる人だ。
いや、なるべきだった人だ。
銀色の長い髪を持つ人に、私は焦がれていたのかもしれない。


かたん、と物音がしたほうに目を向ける。

「姉さん」

美しい黒髪を揺らしながら顔を少し傾けて姉さんは微笑む。
大きな黒い目が細められて揺れた。

「今日もいるのね、あの人」

姉さんの言葉に、窓の外を見る。
庭にひとつだけ植えられた桜の木の下にたたずむあの人がいる。

「待っているのかしら、あなたを」

何気ない言葉も、姉さんが言うと皮肉に聞こえる。
知らないことが罪になることもあるというのは、ほんとだ。

「姉さんですよ」

大きな黒い瞳が見開かれて、すぐに緩められた。

「違うわよ」

酷い。あまりにも酷い。

「じゃあ、ボスが呼んでるから行くわね」

そんなに綺麗なんだから恋焦がれる男がいてもおかしくないじゃないか。

「姉さん」


今日は姉の、記念すべき日だ。



「お幸せに」




さらりと黒い髪がなびいて、にこりと笑った。



「ええ、




彼が私を見てくれることはないとしても。
触れてくれないとしても。


窓の外を見ると、桜の木にもうあの人はいなかった。




もう期待させさえもさせてくれはしないのですね。









・・・・意味不明!!
あれです。説明します。

ヴァリアーのボスの嫁となる一族は一人しか子を産まない→でも二人生まれた→
姉のほうが美しい→本来はスクアーロと結婚するはず→でもザンザスがボスになった
から破棄→はスクアーロが好き→スクアーロは姉が好き→姉が結婚するから去る。
ってなかんじ。

ザンザス←姉←スクアーロ←
ですよ。

この作品は雪洞様の夢小説投稿作品です。
雪洞様、ご投稿有難う御座いました。

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