美しい青空、広がる豊かな自然。 縁側で過ごす、ひと時の憩いの時間。 しかし、そこに 「綾瀬川五席っ!」 耳に響く金切声、どたどたと音を立てて此方に向かってくる足音。 トラブルin十一番隊 「……なんだい、」 「五席っ! 五席って、すっごいお金持ちなんですね!!」 そう言うなり、僕の隣に座る。 「うん?」 「だぁって、給料袋に万札がたくさん入っていましたよ?」 「見たの?」 「はい! それで、少し分けてもらいました!!」 「ふぅん……って、『分けてもらいました』って言った?」 「はい! ほら、じゃじゃーん!」 は、懐から僕のお金らしき札束を見せ、また仕舞った。 「返してくれない?」 「あ……やっべ」 はもと来た道へ戻ろうとする。が、しかし。 僕がそれを見逃すわけなく、僕はの腕を掴む。 「……うう」 「……返してくれないかな」 「……無理です」 は逃げ道を必死に考えているみたいだ。 「無理じゃないだろう?」 「いいじゃないですか、五席はお金持ちなんだから。 あたしは平隊員ですよ? 五席の三分の一くらいしか お給料出ないんですよっ?」 「そう。で、幾ら僕から盗んだの?」 「……三センチほど」 「返せ」 三センチって言ったら結構な額を持っていかれたことになる。 「できません」 「返せ」 「ヤダ」 「じゃあ返さなくていいよ」 「ヤダ……って、え?」 「ふうん。ありがとう」 「え? え?」 僕はの懐に手を入れ(やらしくはないよ) さっき見せられた札束を奪い取る。 「五席! これセクハラ行為で訴えられますよ!!」 「原因を作ったのはだろう?」 「斑目三席!! これセクハラですよねぇ?」 は近くで一部始終を見ていた一角に同意を求める。 「……見えねぇことはねぇけど、テメェが原因だから仕方ねぇだろ」 「そんなっ!! このハゲ酷い!!」 「ハゲじゃねぇ!!」 「どう見てもハゲです!!」 「あぁ!?」 一角、抜刀。 早いよ、刀抜くのが。もう少し我慢したらどうなんだか。 「だいたい、この隊は変人が多すぎるんですよ!! 隊長と副隊長はとにかく、三席はハゲだし、 五席はナルシストなおかっぱだし」 「だからハゲじゃねぇ!!」 「僕も……これはただのおかっぱじゃないんだけど?」 「五席、そこはナルシストを否定しましょうよ」 「黙れ」 「嫌です」 俄然強気な。ああ……僕も抜刀したくなってきた。 「オイ、弓親」 「なんだい、一角」 「久々に退屈しのぎができるぞ」 「ああ、そうだね」 「え? ちょっと、三席、五席……?」 「そう言えば、に稽古付けたことなかったね」 「初稽古、ってやつか?」 「ちょ……待っ……」 「行くぜェ!!」 「手加減しないからね」 「キャーッ!!」 は三十分後、四番隊に運ばれることになる。 |
楽しいだろうなぁ……こんな個性的な人が集まっていたら。でも仕事は全然しなさそうだよなぁ……。 途中で一角が乱入してきたのは、ただ単にからかいやすいからです(笑) 読んでくださり、ありがとうございました。 この作品は蒼空の雫様の夢小説投稿作品です。 蒼空の雫様、ご投稿有難う御座いました。 photo/ |