それは 読点がない物語 いつだって 変らない日常 十一番隊で 書類をこなすだけの日々 自分の思想を押し殺して 流れに逆らえず ここまで生きた 私は いまのまま生きていて それで本当にいいのだろうか? 「……、おい!」 「へ? あ……はい、なんでしょうか」 「お前どうしたんだよ? 最近おかしいぞ……」 「……そう……ですか?」 「ボーッとし過ぎだ。お前ぐれぇしか、ウチの隊は書類片付けねぇしよ。 そんなお前にボーッとされちゃァ、こっちは困るぜ。 どうしたんだよ? 恋煩いか?」 なんてな、と三席は笑ってみせる。 でも……私は、笑えない。 「? ……オイ、まさか本当に恋煩いか?」 「いえ……違うんです。違うん……です、けど……」 潤った瞳が、俺を見つめる。 ……マジだ、こいつ。 「私は……書類を片付けるだけの存在ですか? 他の人のように……強くないのに……。 力なんて、殆どない、のに……ッ。 ここに居て、本当に、いいんでしょうか?」 は、すごく大人しい性格で、こんなに自分について言ったことなんて、 今までなかった。きっと…誰にも。 ……ちょっと、面食らったな。 「私は――三席、貴方たちのように、賑やかに振舞えません。 私は、最近よく思うんです。 “私はここにいるべきじゃない”と……」 「…………」 俺は、今までに何をしてきた? 書類を任せて、それで? 俺はのために、気を使ったか? 大変だな、とか、お疲れ、とか、声をかけたか? 答えは、NO。 そうだ。俺も、隊長も、副隊長も、弓親も、みんな みんなみんな、の肩に、重荷を乗せてきただけじゃねぇか。 「お前は……どうしたいんだ? ?」 「…………雨に、なりたいです」 「あ? 雨?」 「私、潤って見えますか?」 「外見は、な。髪の色も肌の色も、目も声も。 全部、潤って見える」 は、悲しそうに笑う。 「でも、実は、乾いちゃっているんですよ」 「…………」 「砂漠と、おんなじ、です。……潤いなんて、オアシスなんて、 ないんです」 「……でも、なんで雨なんかになりたいんだよ?」 その時、つぅ、と。 の潤んだ、輝いた肌を、涙が伝う。 「雨は……雨自身が、潤っているんです……涙も、そう。 私の、乾ききった心を……雨だったら、癒せるんです……」 雨には、どう足掻いたってなれないけれど。でも、 私はいつか 雨のように 地を濡らし 潤いを与え 何かを 誰かを 生かすことができる 存在になりたい そう、思ってしまった。 ぼろぼろと涙を流すを見て、俺は解った。 枷――なんだ。 俺も、隊長も、副隊長も、弓親も、みんな 「……この書類、俺が片付けとく」 「……え?」 「好きに生きろ。俺らじゃァ、お前のやりたいことを取り上げるだけだ。 好きな場所に行って、好きなように暮らせ」 俺は、お前の枷を解く。ほら、よ。 もう、好きなところへ飛んでいけるぜ? 「ありがとうございます……三席」 「別に、礼言われることじゃァねぇよ」 「でも……お礼、させてください」 そういうと、は…… 俺の頬に、口付けた。 「それでは、さようなら」 、雨が降るたびに、お前を想う。 きっと今も、お前は、世界のどこかで、 小さな雨を降らしているんだろうな? じき、こっちに雨を降らせよな。 彼女の雨よ 俺に降れ |
上手くかけないなぁ……。相手、恋次でも良かったんじゃ? という質問は無し にしてくださいませm(- -)m 読んでくださり、ありがとうございました。 この作品は蒼空の雫様の夢小説投稿作品です。 蒼空の雫様、ご投稿有難う御座いました。 photo/NOION |