All Hallows eve









とある高校の教室。ここには日本一おかしい高校生達がウジャウジャいる、結構有り得ない学校である。

ドMもいればドSもいる。ノーマルの奴もちょっといるかと思えば変態もかなりいる。

今日は10月30日。明日のハロウィーンパーティの準備を(徹夜必至で)している。

でもぜってぇ間に合わねぇよコレ。何故かって瞳孔野郎とドSが突然乱闘を始めたから。

あとチャイナとゴリラも菓子を食い漁って喧嘩する始末。

楽しみにしてたのに……1年の時は季節はずれのインフルエンザで泣く泣く欠席。

去年は他校の奴らと喧嘩して補導された。必死で頼み込むもポリスメンは折れず、

皆がパーティで踊り狂っている間一人寂しく留置所で夜を過ごした…。





「……あーダメだぁ。もう終わった…。何でここにいる奴等はアホばっかなんだ…」

溜息をついて夕焼けに染まった空を見上げる。

「……何なんだ、この異常なくらい切ない秋空は…」

もう一度溜息をつき、ガヤガヤと無駄に煩い教室を出た。

出たところで特に目的はないのだがとにかく一人になりたかった。





「あ……」



いつの間にか屋上の入り口の前に立っていた。何となくノブを回してみる。開いた。

普段は鍵がかかっているはず。屋上に一歩足を踏み出すと突然冷たい風が吹いてくる。

ポケットに手を突っ込んで目の前を見る。



「やっぱりいたか。お前屋上好きだな。晋介」

「…珍しいじゃねーか、テメェがここに来るなんてよ」

「あぁ、明日の準備、かったりぃから抜け出してきた」

「そーかよ」



あたしの目の前にいるこの男、左目を包帯で巻き、煙草なんか吹かしている妖しい奴。

纏っている雰囲気も凡人のそれじゃない。というかアブナイ。けど、めちゃめちゃいい男。

あたしの幼なじみで名前は「高杉晋助」 中学の頃とか、二人で殴り合いの大喧嘩をしたこともある。



「……さみぃ。お前よくこんなトコにずっといられんな」

「……」

「ちっ…何とか言えや」

「……」

もう6時を回って辺りは暗くなっている。静かだ。遠くに見える街の灯が急に恋しくなる。

眼を閉じてみる。まるで自分がこの広い世界に一人だけのような錯覚に陥ってしまう。

自分だけが、取り残されたような。







「ハロウィン・パレードか」

「え…」

突然耳に入ってきた声に、少し驚いた。隣を見ると晋助が煙草を口に銜えたまま

街を見下ろしている。その視線を追ってみると



「……ホントだ」

カボチャのランタンが道路に並べられ、大勢の魔女、お化け達が街を練り歩いている。

風に乗って、子共達の笑い声も微かに聞こえてくる。賑やかだ。



「………」

「………」











引っ掻いたような三日月の下、どこかで遠吠えが聞こえた。









如何でしたでしょうか…!
明日はハロウィンということで、それらしい夢を書きましたが、
行き当たりばったりで書いたのでどうだろう…。

タイトルはハロウィンの旧称です。


この作品は天狼様の夢小説投稿作品です。
天狼様、ご投稿有難う御座いました。