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はじめのいっぽ エピローグ
― 私の道 エピローグ ―











「大丈夫ですか?日番谷隊長」

差し伸べた手を、掴んでくれるその手が温かい。

「……悪かったな。辛い思いさせて」

その口から漏れる言葉も、とても温かい。



「何言ってるんですか。日番谷隊長がいたから、逃げずに向き合うことが出来たんです」

私がそう言うと、日番谷隊長は照れくさそうにそっぽを向いた。

「ありがとうございました」

ずっと、言いたかった言葉。言えずに来た言葉。

「は?何がだよ」

「全部、です。全部」

「意味わかんねー」



 これが、私の第一歩。



美咲~!」

美咲さん!!」



 駆け寄って来るのは、乱菊と恋次。



「あんた、大丈夫だったの!?」

「急にいなくなるから、心配しましたよ!」



 息を切らして、笑う2人。



「2人とも、どうもありがとう!」



「は?」

「なんすか?急に」



「いいの!ありがとう」



『ありがとう』が、第一歩。

 これってきっと、素敵なことだよね?



 みんながくれた笑顔や優しさに、何か返せる時が来るまで。

 何度でも言うから。



「ありがとう」

「何がスか!」

「ありがとう!」

「何よ、気持ち悪いわね~!」





 ようやく、前を向いて歩き出せるから。

 ようやく、みんなの気持ちに答えられる結論を出せたから。

 ようやく、自分の足で立つことが出来たから。





「もう、吹っ切れたのか?」

帰り道、日番谷隊長がそっぽ向きながら私に尋ねた。

「はい、御陰様で!」





 空を見たら、星がキラキラ瞬いていた。

「あ、星……」

私の気持ちと同じで、空も晴れたんだ。そう思ったら嬉しかった。



「何々?何の話?」

「吹っ切れたって何スか?」

乱菊と恋次が間に入って来る。

「何なにじゃねぇ!お前ら影から覗いてたじゃねぇか!」

「え!?うそ!」



 日番谷隊長の突っ込みに、乱菊達は肩をすくめ、私は驚くばかり。



「やっぱバレてました~?だって美咲が心配だったんだもん!」

「だったんだもんじゃねぇ!ったく」



美咲さん、気づいてなかったんすか?」

「あー無理無理、この子いっぱいいっぱいになると何も見えないんだから!」

乱菊がそう言って、私の肩を抱く。

「だからこの子には、アタシ達がついててあげないとダメなのよ~!ね、美咲」

「ったく、世話のかかる奴だ」

「そんなこと言って、放っとけないくせに~」

「何だと!?」







 ここが、私の居場所。

 ここが、私の歩く道。



 ずっと、ずっと……



 いいよね、ギン。

 





ーー完結ーー











あとがき

完結、です。
いかがでしたでしょうか??こんな終わり方です。
ギンとはハッピーエンドって訳にはいかなかったんですが、ヒロイン的にはいい
結末を迎えられたと思います。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございましたv



この作品は「碧露草」様の夢小説投稿作品です。
「碧露草」様、ご投稿有難う御座いました。

photo/Sky Ruins