「あーあ。空、綺麗だなぁ……」

なんて、ぼーっとしている昼下がり。

ここは十番隊舎屋根。

たった一人で、少しユウウツになっている、今日このごろ。

そこに――



「オイ、!」

「なぁに? チビ」

「ああ!?」





切なさは、ただただ積もるのみ。





「テメェ、隊長の俺にそんな口聞いていいのかよ?」

「あんたとあたしの間に上下なんてモンないから、いいじゃん」

「まぁ確かに幼馴染だけどよ……」

はぁ、と冬獅郎はため息をつく。

バカ、冬獅郎のバカ、なんにもわかっていない。

ため息をつきたいのはあたしの方なのに。

なんで……わかんないかなぁ。





「それよりよ、。仕事しろ。松本もサボッて

何処か行っちまったし……人手足りてねーんだけど」

「へー、だから何?」

「仕事しろって言ったばっかじゃねぇか!!!」

「うるっせぇチビ! 黙れボケ! 耳元でガンガン騒ぐなやアホ!

あーもー、耳痛い! もう仕事しないからね!」

「ンだと!? 隊長の俺に七席がそんな口聞いていいのかよ!?」

「だから、あたしたちに上下なんてないでしょ!?

ていうか、そんなに隊長サマが偉いわけ? 暗に自慢しているの?

『俺、強いんだぜ』って?」

「してねぇよ。はーーーっ。本当、可愛くねぇ……」

「そう。そりゃありがと」

冬獅郎は本当に、つまらなそうな顔をする。



“可愛くない”

分っているさ、そんなこと。

どうせ、あんまり身だしなみを整えませんよーだ。







「日番谷くーん!!」

「お? 雛森か…」

「ねぇー、日番谷くぅーん。ちょっと頼みごとがあるんだけど」

「何だ?」

心なしか、桃ちゃんの方へ向かう冬獅郎は……

楽しそうな顔をしていた。



知っているんだよ、あたしは。

冬獅郎、あんたが桃のことを好きだってことを。

幼馴染のあたしと桃を天秤にかけたら、

桃の方が、あんたにとっては重いんでしょう?





あたしは、どうでもいいような、そんな存在。

わかってるけど、辛い。







! ちゃんと仕事しろよ!」

「気が向いたらねー」

「……クビにするぞ、テメェ」

「あーそー」





馬鹿ヤロウ

さっさと何処か行ってよ

愛しいなんて 好きだなんて

思わないうちに……







「あーあ。空、綺麗だなぁ」

その空の青さは、あたしの胸に沁みた。

悲しく、そして切なく……。








なんか切ない片思いになってしまいました。
甘い夢が書ければいいのに……。ぐすん。
そして日番谷の口調がわからないという悲劇。
あ、「そんなんなら書くなよ」ってツッコミは無しの方向で。

読んでくださり、ありがとうございました。



この作品は「永遠に続く空」様の夢小説投稿作品です。
「永遠に続く空」様、ご投稿有難う御座いました。

photo/NOION