『はじめのいっぽ』
― プロローグ ―









 ここには、そうそう大きな変化はない。

 ここでは、日常が延々と続いていくだけ。



 退屈だなんて言う人もいるけれど、私はそれでいいと思っていた。

 それがいいと思っていた。







 幼い頃から知っているギンと乱菊。

   ギンはいつの間にか三番隊の隊長になっていた。

 そして乱菊は十番隊の副官、私は一番隊の副官。それぞれに、出世していた。

 だけど、だからといって何が変わる訳でもない。

 私たちは、変わらない。

 私たちの関係は、変わらない。

 毎朝同じ時間に目を覚まして、仕事をする。

 ギンはいつでも気紛れで飄々としているし、乱菊はいつでも面倒見が良くて口が悪い。







 明日も明後日も、その次も……十年後も何十年後も変わらない。



 なぜだろう?



 何の根拠もないのに、そう思っていた。

 何かが変わる筈なんかないんだと、私はそう信じていた。

 この世の中に、変わらないモノなんかありはしないのに。





 なのに。

 私はただ漠然と、そう信じていたんだ。













〜〜〜〜〜〜あとがき〜〜〜〜〜〜
名前変換がなくてごめんなさい!
一話からは、ガンガン変換いたしますので!6話くらいの予定です。
お付き合いいただけたら幸いです。




この作品は「碧露草」様の夢小説投稿作品です。
「碧露草」様、ご投稿有難う御座いました。

photo/Sky Ruins